GA4に関するYouTube動画(日本語)を全部見てわかったこと

Google Analytics4(GA4)がリリースされたのが2020年10月。10カ月経過した2021年8月現在、YouTubeにはGA4について日本語で解説した動画が20本程度上がっています。旧バージョンのユニバーサルアナリティクスの動画と比べると、まだまだ少ないですね。ほとんどの動画が9カ月前~5カ月前にアップされたもの。おひとりだけ、2か月前に6本の動画をアップしている方がいるという状況です。この記事では、それらを一通り見た上でわかったことをまとめたいと思います。大枠のまとめなので、細かい内容を知りたい人は、それぞれの動画をご覧くださいね!(リンクを文末に貼っておきます。)

YouTubeでGA4解説動画(日本語)を見てわかったこと4つ

  • Googleアナリティクス4は旧バージョンとはかなり違う!
  • Google アナリティクス4の登場は、クッキーの利用停止=個人情報保護の文脈で理解すべし
  • Googleアナリティクス4の強みは機械学習とユーザーの行動トラッキング
  • 当面はユニバーサルアナリティクスとGoogleアナリティクス4の併用がベスト

ひとつずつ解説していきます。

Googleアナリティクス4は旧バージョンとはかなり違う!

Googleアナリティクス4と旧バージョンのユニバーサルアナリティクスは、データの取り方、メニュー、重要指標など、さまざまな面で違います。ユニバーサルアナリティクスのバージョンアップ版というより、別物と捉えた方が良いでしょう。わかりやすい指標の話でいうと、「直帰率」という項目が無くなり、新たに「エンゲージメント」が追加されています。GAを活用する上で最重要の「コンバージョン」からは「目標」という言葉が消え、「イベント」もしくは「コンバージョンイベント」を設定することになっています。

これまでユニバーサルアナリティクスをベースに分析してきてた身としては、正直戸惑います。分析機能やレポートも、機能や自由度がぐんと上がり、分析対象ごとにカスタマイズの幅も大きくなっているので、その分、セカンダリディメンションやカスタムセグメント、カスタムレポートを使うところまで行ってなかったGA初級ユーザーにはハードルが高くなっているかもしれません。YouTubeで解説動画を上げている皆さんも口々に「学習コストがかかる」と言っています。

「学習コストがかかる」のだけれども、そこを乗り越えれば、より高度な分析を行い、売上向上に貢献できる可能性があるツールに進化しているという事だと思うので、マーケターやウェブ解析士にとっては朗報、と言えるでしょうか。

Google アナリティクス4の登場は、クッキーの利用停止=個人情報保護の文脈で理解すべし

先ほど、Googleアナリティクス4はデータの取り方がそもそも違うと書きました。これまでGAは、ブラウザごとに発行されるクッキーを使用して、ユーザーの行動を捉えようとしてきました。しかし、デジタルマーケティング業界の多くの方がご存知のように、2018年5月の「EU一般データ保護規則(GDPR)」の施行以降、個人に紐づくGPS情報・IPアドレス・クッキーなどの情報も保護対象と捉えられるようになり、サードパーティ・クッキー(=自ドメイン以外が発行したクッキー)を利用しない方向に大きく転換しようとしています。

Googleアナリティクス4は「Googleシグナル」という、Googleアカウントへのログイン情報をベースとした分析ツールであるとされています。ユニバーサルアナリティクスとGA4を見比べたときにセッション数やユーザー数が異なるのは、背景を追いかけていくと、実は分析対象となっているデータそのものの違い、さらには個人情報保護の大きな流れがある、ということなのですね。

Googleアナリティクス4の強みは機械学習とユーザーの行動トラッキング

GA4の特徴の一つとして言われていることが「機械学習」の導入です。ユニバーサルアナリティクスにも機械学習は取り入れられていました。GAの画面の右側の方にある「インサイト」という項目が、それですね。インサイトは、代表的な指標のサマリーや変異を教えてくれました。このインサイト自体もGA4では進化しているのですが、より大きな変化しては、機械学習による「予測」機能が追加されたことではないでしょうか?過去の購買データをもとに、翌月の売上を予測するといったことができるようになっています。(詳しくは、「アナリティクスヘルプ」のこちらのページをご覧ください。)

もうひとつの大きな特徴としては、分析が「ユーザーの行動」にフォーカスされているというところだと思います。先ほどの「Googleシグナル」にも関わる話ですが、これまでのブラウザベースの分析とは違い、より正確にマルチデバイスで個人の行動を追えるようになってきていますし、GA4のメニュー構成や指標を見ても「維持率」や「エンゲージメント」といった項目が大きく扱われており、「自社の顧客は誰か(どんな行動を取る人なのか)」を掴んでいこうという方向性が感じられます。これからの進化が楽しみな部分でもありますね!

旧バージョンとGA4は今のところ併用がベスト

これも、解説動画を上げていた人が口を揃えて言っていることですが、旧バージョンとGA4とは今のところ併用がベストです。実はGoogleの公式動画でもそのようにアナウンスされています。おそらくしばらくの間、日々の分析やPDCAに活用するのは、旧バージョンであるユニバーサルアナリティクスで良いと思います。GA4はとりあえず設定だけでもしておいて、データを蓄積し、機械学習の恩恵を受けましょう!(ECカートシステムによっては、GA4に対応していないものもありますので要注意!それについてはまた別の記事で扱おうと思います。)

ユニバーサルアナリティクスとGA4、いろんな違いがありましたが、変わらない部分もあります。それは「コンバージョン」の重要性です。GAのセミナー講師をする際や個別企業支援でも、いつも必ずお話ししていますが、コンバージョンを設定しないのであれば、GAを使う意味はありません。なのでGA4の設定をする場合、頑張ってコンバージョン設定まではたどり着きましょう。

そうそう、9月にはインプレスから、GA4に関する書籍が出るようです。著者は「ウェブ解析士協会GA4研究会」となっています。どんな本になっているのか、楽しみです。

▼YouTubeでGA4の解説動画をアップしているチャンネル  ※他にもありますが抜粋して上げさせていただきました。

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